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2025/10/08キャッツキル放浪記

スタッフ コーヘイ


コーヘイのキャッツキル放浪記・連載一覧はこちら
実は、、、未だ行ったことはないフライの聖地「キャッツキル」。彼の地を夢見て夜な夜なタイイングを続けるスタッフコーヘイの不定期連載コラムです。

🔳第四話 気になるラインアイ後ろの隙間
第四話は、キャッツキルスタイルのフライに見られるラインアイ後ろに見られる謎の隙間について 英国からの流れを組む東海岸キャッツキルのフライパターンはいずれも繊細&華奢で、メイフライの儚さを見事に表現しているものが多い思います。その特徴の一つが控えめなマテリアル使い。西海岸系のフライに見られるようなバルキーな獣毛などは用いず、鳥類の羽根をパラっと軽く巻いているだけなので、見た目に余裕があり非常にエレガント。 キャッツキルフライの特徴と呼べる構造はいくつかありますが、その中でも見落とされがちなディテールが、僅かに隙間を空けてありフック軸が剥き出しになった謎スペース。僕も初めは何となく軽やかに見せるデザインなのだろう・・・くらいに考えていましたがノンノン、実はちゃんと理由があります。 その理由の一つが、ナイロンやフロロなど開発以前、強度の無いシルク製リーダー(シルクガット)に負担を掛けないために用いられた「タールノット」で結ぶための隙間であったようです。(タールノットで結ぶと、キャッツキルフライでありがちな逆立ち浮きがほとんど無くなります)またウイングをよりフックシャンク中央(後方重心気味)に巻く事で水面でのバランスが良くなる事も理由の一つだったようで、本当に理にかなっているように思います。 後年のキャッツキル・レジェンド「アート・フリック氏」は、この部分をスレッドで砲弾型にまとめており、ほぼ隙間はありません。もしかするとナイロン開発後である時代的なことや、フックバランス、短めのテールなどでバランスを取っていたり独自の理論があったのかもしれません。そんな細かい点に思いを馳せアレコレ妄想するのもまた浪漫です。 この辺りの細か〜いディテールや歴史的背景、時代の移り変わりと繋がりなどは「ザ・ヒストリー・オブ・トラウトフライズ 鱒毛鉤の思想史」でも、非常にわかりやすくまとめてありますので、ご興味ある方には絶対にオススメします。 毛鉤一本に秘められた壮大な歴史と様々な人生。僕のキャッツキル放浪はまだまだ先が長そうです(笑)。

本日の道具

2025/04/16フロータント考察

スタッフ コーヘイ

水面に躍り出る鱒達に誰もが興奮するドライフライ。浮力を持続させるためにフロータント(撥水剤)は欠かせません。しかしジェル、リキッド、パウダーと何せ色々種類があって分かりづらい・・・。それぞれに良いところ、悪いところがありますので、簡単にまとめてみました。

ジェルタイプ
メリット:部分塗りが可能。毛鉤の色変化が無い。リーダーやティペットにも使用可能。容器がコンパクト。
デメリット:粘度が高いのでCDCなどの繊細なマテリアルには向かない。

リキッドタイプ
メリット:どぶ漬けで浸透させるため持続力が高いうえ、簡単に素早く浮力を得られる。
デメリット:部分塗り不可。容器は大きめ。含まれるパウダーでフライが白っぽくなる事がある。

パウダータイプ
メリット:パウダーがマテリアルの産毛を起こし、表面張力を最大化。ジェルやリキッドより浮力が高い。
デメリット:持続性が低い。容器は大きめ。パウダーでフライが白っぽくなりやすい。
一応全てのタイプを使い分けていますが、一番愛用しているのはLOON社のジェルタイプ「AQUEL」。せっかく拘って巻いたフライがどれも白っぽくなるのが兎にも角にも嫌な僕はこれ。ハックルや獣毛のクラシックパターンが多く、CDCなどの繊細なマテリアルを使用したフライが少ない事もジェルを多用する理由の一つです。 そしてもう一つ。エキスパートな方達にとにかくファンが多いのがC&F社の「パワーフロート」。ジェルタイプの欠点を全て解消した、という同社の謳い文句通り「どれか一つ選べと言われればコレ」と推す方達が多い逸品です。コンパクトでぶら下げ穴も付いた機能的な容器デザインも素晴らしいです。

本日の道具

2025/04/14キャッツキル放浪記

スタッフ コーヘイ

コーヘイのキャッツキル放浪記・連載一覧はこちら
実は、、、未だ行ったことはないフライの聖地「キャッツキル」。彼の地を夢見て夜な夜なタイイングを続けるスタッフコーヘイの不定期連載コラムです。

🔳第三話 キャッツキルスタイルは投げにくい、使いにくい!?
第三話は、その構造ゆえにヒジョーに投げにくいとされる「キャッツキル・ドライフライ」のリーダー&ティペットシステムについてです。 現代のパラシュートフライなどと異なり、フックに対して垂直にハックルが巻かれるキャッツキルスタイルのドライフライは、空気抵抗MAX、つまり投げにくい(笑)。6Xや7Xなどの細いティペットで、おまけにロングリーダーロングティペットで使おうものなら、フライはプロペラのごとく回転、ティペットは即チリチリ、トラブルの嵐です。 元々現在のような細く強力なティペットなど無い時代の毛鉤ですから、現代タックルでそのまま使うのに無理があるのも当前かもしれません。僕の解決法は至ってシンプル。太く、短いリーダーシステムを使う事で回避しています。基本はロッド長前後の4Xリーダーに4Xティペットを50〜60センチ継ぎ足すという、周りからは大丈夫か?と言われるシステムです(苦笑)。水面を長く漂わせるのには向きませんので、狙ったスポット数十センチ範囲を短く丁寧に流すよう心掛けています。 そこで面白い毛鉤。著名な作家でありキャッツキル地方の釣人でもあった「エドワード・ヒューイット氏」による特異なフライ「ネバーシンクスケーター」です。白昼、大きなトラウトがひらひらと舞う蝶を狙って跳躍するのを見て考案されたこのフライは、激しいアタックを繰り返し引き起こす異例のアトラクター&大物キラーとして知られ、 通常のドライフライが通用しない魚が無気力な状況でも、深場から魚を惹き寄せる不思議な能力を持つと言われている名作古典です。 浮き姿勢はラインアイが真上を向く特殊な状態。自然とティペットはフライから離れた位置で水面に接するので太いティペットでも影響が少ないと思われます。これも大物に違和感を与えない要因なのかも知れません。基本的に高い浮き姿勢を保つキャッツキル系の毛鉤なら、この効果は高いと思いますが、このネバーシンクスケーターはそれが最も顕著に現れる特殊な構造と言えます。
出典:American Museum of Fly Fishing

また、アメリカの”AMFF”(American Museum of Fly Fishing)が公開しているこちらの動画では、1939年にヒューイット氏本人がネバーシンクスケーターを使って釣りをする貴重な姿が収められています。良型のトラウトがバッコバッコ釣れているうえに、「スケーター」の名前通り、フライを人為的にスーッと引っ張って水面を滑らせドッカーンと魚が飛び出てくるシーンは圧巻です。仮に、太く短いラインシステムで長くドリフトできずとも、逆に引っ張って魚を誘い出すことすら可能なこのフライ。シビアな現代でこそ使いたい古典毛鉤です。

本日の道具

2025/01/11コーヘイのキャッツキル放浪記

スタッフ コーヘイ

【 第一話 キャッツキルスタイルってナニ!?】
実は、、、未だ行ったことはないフライの聖地「キャッツキル」。彼の地を夢見て夜な夜なタイイングを続けるスタッフコーヘイの不定期連載コラムです。 まず第一話は僕の愛する「キャッツキルスタイル」とは!?
憧れのキャッツキルエリアを代表する川のひとつビーバーキル

そもそも”キャッツキル”とはアメリカ・ニューヨーク州北部の地名。実はアメリカのフライフィッシングの歴史はココに端を発しており、いわば”始まりの地”と呼べる特別な場所。1800年代後半、アメリカの作家セオドア・ゴードン氏が英国のドライフライフィッシングをアメリカに広め、仲間らと共にアメリカ独自のスタイルを確立。その毛鉤たちが後に「キャッツキルスタイル」と呼ばれることになったのです。 厳格なレシピや作法があり、それはまるで歴史的逸品に触れるような、偉人たちの足跡を辿っているような、ちょっと崇高な気分にさせてくれる存在。 セオドア・ゴードン氏の傑作古典「クイルゴードン」はまさにキャッツキルスタイルを代表する一本。 Epeorus pleuralisと呼ばれるメイフライ(カゲロウ)を繊細に模した姿がこの上なく美しい名鉤なのです。 毛鉤に関して、釣れることはもちろん、佇まいの美しさ、その歴史的背景までも調べてコダワって、味わい尽くしたい!!そんな僕が毎夜眠れないほど熱狂し続けているのが「キャッツキルスタイル」と呼ばれるクラシックフライたちなのです。

つづく

本日の道具

2024/11/22LOST&FOUND

スタッフ コーヘイ

FLIES No.1 Two Feather Fly(Harry Darbee)
FLIES No.2 Lunn’s Particular(William James Lunn)
FLIES No.3 Quill Gordon(Theodore Gordon)
FLIES No.4 Neversink Skater(Edward Ringwood Hewitt)
FLIES No.5 Tups Indispensable(RS Austin)
FLIES No.6 Pheasant Tail Dry(Payne Collier)
FLIES No.7 Greyfox Variant(Art Flick)
FLIES No.8 Joe’s Hopper +Kicker Leg(Art Winny – Joe Brooks)
FLIES No.9 Conover(Scotty Conover)
FLIES No.10 Foam Spider(Gary LaFontaine)
FLIES No.11 Foam Inch Worm(Gary LaFontaine)
FLIES No.12 Mohawk(Gary LaFontaine)

僕が巻く私的クラシカルフライ「ロスト&ファウンド」。直訳すると「失くす、見つける」ですが、海外では遺失物取扱所つまり忘れ物センターを意味する言葉です。フライ史に残る偉人達が考案した名作毛鉤を掘り起こし、時に忠実に、時に遊び心を加えて、明日11月23日の「カスケットアウティング2024」にて予約受注販売させて頂きます。それぞれクリックすると詳細ページをご覧頂けますのでぜひご覧ください。 フライは全て画像の箱にディスプレイしてご納品予定です。