2019/03/04TRAD50SHS予告
平日の解禁日に渓流へ出掛けたのは数年ぶりのことでした。昨年あらゆるテストから導き出した、良いアクションのミノーが数本出来上がって、いよいよ最後の試作を試せたのは9月の最後。他にも試作のセットがあり、先のテストの撮影に時間を割きすぎて、もう一つの試作TRAD50SHSは流れでアクションの確認は出来たものの、魚からの答えが得られていませんでした。動きには自信はある、しかし発売前にどうしても魚に当てておきたかった。冬の間、管理釣り場や湖でのスイムチェックは自然渓流の流れでは意味をなさないことが多いのです。
そしてもう一つ、これも昨年テストで先にベイトキャスティング用に組んでいたACB51ML-4のスピニングバージョンのガイドセッティングの確認も行いました。Yガイドの廃盤に伴い、たくさん在庫していたチタンがついに底をつきました。今年からはステンレスのYガイドを富士工業に別注で発注。このガイドの確かさは昨年に確認済みです。微小の重量増はまったく問題ではありません。
そうして朝陽が高く上がり出した渓流にギュン!とブランクが絞られ、幸先の良い尺ヤマメ。(本気で測ったら29.5cmしかないかもしれないので、こいつは測らないでおこう。笑)
初めは大人しかったのに、マクロレンズを付け替えていたら大暴れして鱗が剥がれてしまった。春の渓魚はまだ水温が低いと鱗が剥がれやすく、サクラマスのように銀鱗が舞う。個人的にはボロボロの姿よりも夏ヤマメのように肌がしっかりとした魚体が好きだ。失敗、、、ヤマメよ、ごめん。
というわけで、この魚のおかげでTRAD50SHSの販売準備に勢いが点きました。発売開始は3月7日を予定しています。ロッド:アルセドクライマーACB51MLS-4P、ネット:Tクラフト STAG MODEL2609TDR、ルアー:TRAD50SHS、ライン:トラウトプラッギン5LB
全てのタックルバランスが良いのですが、特筆は実はラインです。このラインは本当にいい、市場はPEに押されて4、5LBしか生産をしていないけど、現在では代用品がない、素晴らしいトラウト専用と言えるラインです。









カスケットのミノーを産み出すのはこの写真の二人。普段皆さんが使っていただくミノーが、手作りだと分かっていても、こうして実際の作り手の顔が見えると見えないではミノーの質感や実感が違うかもと思いまして、「よせよ!」と照れる二人を無理やりカメラに収めてきました。
二人は僕と同じく今年48歳。ルアー業界に30年近く携わって、時代で見てきたもの、くぐり抜けてきたことがほぼ同じ。バスフィッシングに明け暮れた少年時代、トップウオーターにのめり込んだ20代、そして様々な魚種も経験しながら、ルアー作りを生業とし、数々の名作を影で作ってきました。
2014年、バルサトラッド発売時の広告コピーより。新色シャンパンヤマメに新作50SHS。
2018年、過日の渓流。TRAD50HSの改造型で釣れた尺上ヤマメ(アマゴっぽい?)ここからヒントにTRAD50SHSを誕生させました。この釣りの模様はまた整いましたらミノー発表と同じに紹介します。
現在受付中の「R.Oldman」のハットも昨年の秋から試作を始めていたアイテム、もうじき24日が受注締め切りです。どうぞお見逃しなく。
パーマークを纏った40cmを越す本流ヤマメが辺りのセミの声を打ち消すようにドラグの音を引き出しました。
ロッドは本流ヤマメ、サツキマスによく使うトライアンフTRB72MHS。ラインはPE1.0号に10lbのナイロンショックリーダー。
急瀬と急瀬の間に掘られたような短く深い流れ。ディープダイバーのリップでは間に合わず重量で沈めるしかないポイント。そうして深部でスイッチを入れきるキレが求められる場面。食った瞬間から一気に唸りを上げて引き出されるラインにトライアンフがスッスッと追従して曲がってくれました。
こうした場面で活躍するのがTRAD60SHSです。縦幅のあるフラットサイドタイプではないので、内包するウエイトがギリギリの位置に仕込むのが難しいですが、背中がラウンドしているので急流をクロスするときには浮き上がらずに水深をキープしやすい特徴があります。
バルサも入れると60mmにはシンキング、ヘヴィシンキング、スーパーヘヴィシンキングの3種類があります。これらは状況によって使い分けると一発で魚にスイッチを入れることができます。大事な二つの要素は「自重とコース取りで眼前に行くこと」と「キレのあるトウイッチによる左右の動きでヤマメを興奮させること」ができるかどうかです。
上写真は同行の伊藤さんがバルサトラッド60HSで釣った33cmくらいのヤマメです。とりあえず一枚撮った後、ゆっくり構図を整えて撮影しようとしたら大脱走。(汗)フォトランディングとはよく言ったもので、良い写真に収められないと釣った気がしないと伊藤さんはがっくり肩を落としていました。(撮れてますやん!)
鮎とともに潜む本流ヤマメ、サツキマス。さらにワカサギのいる湖や、春のイトウ狙いでもキーワードとなるのは小型ベイトです。そこには飛距離、深度が求められ、重量に相反してアクションのレスポンスも必要です。そこで活躍する60mmのトラッドミノーを久しぶりに製作できました。
この時のイトウに口を使わせたのはTRAD60HSでした。カタログにも掲載しましたが、シングルフックの#8-4サイズがギリギリ使用できます。ようやくこのミノーを販売できて僕も嬉しいです。