シムス新作のFSスリングパックはかなり気合が入っています。以前存在した集大成的な「G4スリング」の思想を受け継いだこちらは、まさにフルスペック。違いはG4が防水コーティング生地だったのに対し、こちらは特殊織りのリップストップナイロンにすることで200gほど軽量化している点。完全防水はすでに「
Zスリング」がありますので、こちらは「多機能性」を重視する設計に大いに賛成です。
背面はランディングネット(持ち手が長いタイプ用)のスリーブポケットを装備。マルチピースロッドであればココにロッドケースを挿すことも可能です。サイドにはドリンクポケットがあり、こちらにもロッドケースを挿しておく事が出来ます。
SIMMSロゴの面はベルクロ式のドッキング・ステーションになっており、付属のホルダーを使用すればフロータントやティペットなどのフライ用小物を取り付けることが可能です。また、ポケット内部に付属しているEVAフォームのパッチを外側に付ければ全面フライ&ルアーパッチとして機能。ベルクロであれば何でも付きますので、いかようにもカスタム出来ます。
ニッパーやフォーセップ、小型プライヤーなどは、底面とショルダーベルト部分にあるアクセサリーステーションに取り付けておけばいつでも瞬時に使用可。使わないときは邪魔にもなりませんので、本当によく出来ています。
フルオープン状態。フロントのセミハードパネルを開くと、ワークスペースが出現。ウェーディング中でもノットの組み直しやフック交換など、細かい作業を集中して行うことが出来ます。かなりの広さを持つメインコンパートメントに加え、サイドの四角ポケット、ジッパー式のスリットポケットなど、細かく整理して収納することが出来る設計になっています。
そして素晴らしいのはメインコンパートメントの開閉が「コの字型」である点。カメラや大型ボックスなどかさ張るアイテムも極めて出し入れしやすく、全くストレスがありません。画像はミラーレス一眼(フルサイズ)を防水ケース「ディフェンダー」に入れて収納した状態。それでもまだ半分程度は空きスペースがあり、軽食やレインウェアなどを収納できそうです。
細かい部分にも培われたノウハウが詰まっています。ネット用スリーブ部分には小型のDリングが隠されており、マグネットリリーサーなどを使えば一般的なグリップ短めの銘木ネットを下げる事も可能。その他調整ベルト部分は、余ったベルトが邪魔にならないようベルクロ留め出来る仕組み。
現在SIMMSが持つスリングパック哲学を全て詰め込んだと言っても良いこのアイテム。全方位に機能を持たせ、あらゆるミッションを完遂するパーフェクトなスリングになっています。