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2025/11/15キャッツキル放浪記

スタッフ コーヘイ


コーヘイのキャッツキル放浪記・連載一覧はこちら
実は、、、未だ行ったことはないフライの聖地「キャッツキル」。彼の地を夢見て夜な夜なタイイングを続けるスタッフコーヘイの不定期連載コラムです。

🔳第五話 情熱で未来を切り拓いたフライタイヤー
第五話は、キャッツキルの枠を超えその後のフライタイイング界に絶大な影響を与えた人物のお話 キャッツキルフライの歴史をたどると伝説的な人物が数多く登場します。開祖とも言えるセオドア・ゴードン氏や後継者のロイ・スティーンロッド氏、それまで公にされてこなかったタイイングテクニックを米国で初めて書籍化し、後進達へ広く技術を伝承したルーベン・クロス氏・・・etc。本日はその中の一人「ハリー・ダービー氏」のお話。偉人達のフライを自分で分解、研究し、後に「世界最高のタイヤー」と評価されるほどの確固たる地位を築き上げた人物です。 氏の最も有名にして完全オリジナルと言えるフライの一つが、この「ツーフェザーフライ」。大型で軽量なフライを希望した友人の為に1950年代に考案したものと言われ、たった2枚のフェザーでスレートドレイクと呼ばれる大型メイフライをイミテートしながらも超軽量に仕上げた、ある意味毛鉤の”究極”とも言える傑作です。 自身ではとても控えめに「どちらかと言えば変化球で、目新しかったけど次第に忘れられていった」と述べたとの記録がありますが、その独自性、創造性、美しさは現代でも決して色褪せることはありません。 優雅に立ち上がるバンチウイング、縦巻きのハックルなど、一目でキャッツキルフライとわかる伝統的なディテールを纏いながら、フックサイズに制限されない革新的なエクステンド(拡張)ボディとテールを備えています。 個人的な意見ですが、これほどまで簡潔かつリアルに、大型メイフライの美しさを完璧に表現したフライは他に見た事がありません。このサイズ&ボリュームに対して想像以上に空気抵抗が少なくキャスタビリティに優れているのも特筆すべき点です。 またハリーダービー氏にはもう一つ偉大な功績があります。それは現在のジェネティックハックル(タイイング用に品種改良された鶏の羽根)の礎を築いた一人であるという事。1940〜50年代に自身の理想の色合いの羽根色持つ鶏を生み出すため裏庭でトンプソン・バードロック種、オールドイングリッシュゲーム種、ブルーアンダルシアン種などの交配と養鶏を続け、その結果当時最高品質かつバリエーションに富んだ色彩のハックルを生み出したとされています。
 書籍内の上写真・右側に写っているのが若き日のハリー・ダービー氏(ファッションも素敵!)

そして、寛大にもその卵を希望する様々な人に惜しみなく分け与えているのがまた凄いところ。実はその卵の子孫たちこそ、現在のホワイティング社「ヒーバート/マイナー」ブランドを始め、メッツ、コリンズ、キーオといった主要メーカーのハックルたちへと繋がっているのです。キャッツキルの枠を超え、フライタイイング界の未来をも切り拓いた、ハリー・ダービー氏。氏のフライパターンには、その情熱や美学が集約されています。

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