サイズ#8
原案はミシガン州トラバースシティの床屋であり、フライタイヤー、フライフィッシング愛好家だったアート・ウィニー氏によって1940年代に考案されたミシガンホッパーとされています。
その後1950年台後半に、釣り作家ジョー・ブルックス氏の著書「The Complete Book of Fly Fishing 1958」によって有名になったことで、今日ではジョーズホッパーと呼ばれています。
レッグは本来、後年このパターンを元にデイブ・フィットロック氏によって考案され世界的傑作となったデイブスホッパーによって組み込まれる要素ですが、あえて時代を混合し、クラシックホッパーフライの歴史を1本で表現。細かいディテールを紐解くと、時代の矛盾が面白い、遊び心を入れた一本です。さらにテールも本来ハックルファイバーを使用しますが、デイブスホッパーのマテリアルであるカーフテールを使用し浮力を確保、出来るだけ水平浮きを維持するよう目論みました。また実は沈めても非常に有効である事がわかっています。







サイズ#12
コノーバーは何十年もの間、キャッツキルの渓流でキャストされてきたウィングレス・スタイルのドライフライです。1928年に設立されたデット・フライズは、由緒正しきキャッツキルの伝統を今に伝える世界最古の家族経営のフライフィッシングショップですが、そのオーナーであるジョー・フォックス氏が、「この店で販売している最も人気のあるアトラクター・パターンであり、キャッツキルの渓流でも、他の地域でも、今なおとても効果的なドライフライである」と、曾祖父母から代々タイイングしてきたこの名作古典フライを賞賛しています。キャッツキルフライの傑作の一つとして名高いコノーバーはカディスの出現期のためのキャッツキルパターンで、1930年代にビーバーキル川上流のブルックリン・フライ・フィッシャーズ・クラブのメンバー「スコッティ・コノーバー氏」がこのパターンを考案したのが始まりだそうです。スコッティ氏は薄暗い夕暮れ時にフライが見えにくかったそうですが、この明るいバジャーハックルと水面高く浮くキャッツキルスタイルによって高い視認性を確保し、非常に活躍したとの記述があります。
伝説のフライタイヤーのウォルトとウィニー・デットはスコッティ氏のために独占的にこのフライを販売したそうですが、後年スコッティ氏が他の顧客へこのフライを販売することを許可し現在に至るそうです。
オリジナルのボディダビングは、ラビットファー、シールズファー(アザラシの毛)、赤いウールの混合物でしたが、デット氏によって変更が加えられ、過去何年もの間、マスクラットファーと赤いウールの単純な素材で作られていました。
今回は、オリジナルに忠実なボディダビングを採用して作成しています。
サイズ#14
鱒と虫、そして毛鉤の徹底的な観察と実証を繰り返した鬼才ゲイリーラフォンテーン氏ならではの、フォーム(発泡シート)をメインマテリアルに用いたフライパターンです。適度に光を透過する素材感は妙に生命感があります。またテレストリアルらしいふっくらとしたボリューム感も得られながらも軽量で実用性にも富んでいます。こちらはスパイダー。レッグにディアヘアを使用しており、そのシルエットは驚くほどにクモそのものです。
ラフォンテーン氏の著書トラウトフライズ記載されているフィッシングログによると、それは時にスパイダーの他、アリ、オオヨコバイのイミテーションとしても役立つそうです。またその不思議なパラシュート型のシルエットと透明感は非常にトラウトの気を引くらしく、結果的にクモが多い川はもちろん、滅多に居ない川でも効果を発揮した事が記載されています。
サイズ#14
鱒と虫、そして毛鉤の徹底的な観察と実証を繰り返した鬼才ゲイリーラフォンテーン氏ならではの、フォーム(発泡シート)をメインマテリアルに用いたフライパターンです。適度に光を透過する素材感は妙に生命感があります。またテレストリアルらしいふっくらとしたボリューム感も得られながらも軽量で実用性にも富んでいます。こちらはシャクトリ虫。本物が持つ鮮やかな発色と透明感をよく再現しています。
ラフォンテーン氏の著書トラウトフライズ記載されているフィッシングログによると、氏が幼少期に初めて大釣りをする事が出来たのがインチワームパターンだったという記載があります。通常川沿い数百メートルに一本ほど、インチワームが好んで住む木「ホームツリー」があるそうで、本物を食べた経験がある魚には特に効果的であると思い入れたっぷりに書かれています。夏の釣旅行用フライボックスには必ず入れているほど、その信頼度(思い入れ?)は強いパターンであったようです。シンプルな中にキャラクターが立っていて持っていて楽しくなるフライです。
サイズ#10
鱒と虫、そして毛鉤の徹底的な観察と実証を繰り返した鬼才ゲイリーラフォンテーン氏の名著「ザ・ドライフライ-ニューアングル」の表紙絵にもなったとてもユニークでファジーなフライです。巨匠デイブ・フィットロック氏によるバスバグのタイイングデモを見たラフォンテーン氏の娘ヘザーがイタズラでお父さんのタイイング部屋に忍び込み作った物が原案だそうです。一番の特徴は視認性と魚を引き寄せる能力にあると言われていますおり、ディアヘアを刈り込んだデザインはまさにバスバグのようですが、底面がV字形状になっており、水面に深くめり込みます。ラフォンテーン氏の仮説によると、そのボディが長いハックルに揺られることで、トラウトが側線で感じ取ることができる「圧力波」を水中に生成している可能性があると著書の中で語っています。また晴天の日中、他のフライがダメな時に、大物を誘い出すとも言われています。深く水面にめり込むボディのお陰でラインアイから繋がるティペットが数十センチにわたって水中に沈むことで、余計な乱反射を抑えているのもそういったシビアな状況下で効果がある要因なのではという話もあります。一見リアルさは全くないフライですが、その実力はラフォンテーン氏の検証でも十分実証されている面白いフライです。