2018/08/10TAKE&SONSのブーツ その3
【TAKE&SONSのブーツ その3】
良い靴は靴底を見ても隙がありません。この英国製ラバーソールのヒール部分。擦り減れば容易に交換可能ですが、フィールドで絶対に外れたりする事が無い様、ビスを打ち込んであります。そしてビス一本へのこだわりがまた凄い。よくあるスチールのプラスネジは水がたまり易く錆び易いので”真鍮製のマイナスネジ”を採用。しかもこれが日本には流通していない為、イギリスから、わざわざ取り寄せているのだそう。
イギリスはアンティークの物を大切にして親から子へ孫へ受け継ぐ文化があり、修理を行う必要から、未だに古くから使われているマイナス真鍮ネジが製造されているらしい…。見ているだけでは分かりませんが、ソールのネジ一本にもストーリーがあるのです。
またネジだけでなく、アイレット(ハトメ)やバックのDリングも全て真鍮製。アッパーのレザーもコットンキャンバスも、このブーツには使われている素材全てに理由があります。デザイナーさん曰く「経年変化した姿が真の完成形となるためには必須な仕様」なのだそうです。
良い靴は靴底を見ても隙がありません。この英国製ラバーソールのヒール部分。擦り減れば容易に交換可能ですが、フィールドで絶対に外れたりする事が無い様、ビスを打ち込んであります。そしてビス一本へのこだわりがまた凄い。よくあるスチールのプラスネジは水がたまり易く錆び易いので”真鍮製のマイナスネジ”を採用。しかもこれが日本には流通していない為、イギリスから、わざわざ取り寄せているのだそう。
イギリスはアンティークの物を大切にして親から子へ孫へ受け継ぐ文化があり、修理を行う必要から、未だに古くから使われているマイナス真鍮ネジが製造されているらしい…。見ているだけでは分かりませんが、ソールのネジ一本にもストーリーがあるのです。
またネジだけでなく、アイレット(ハトメ)やバックのDリングも全て真鍮製。アッパーのレザーもコットンキャンバスも、このブーツには使われている素材全てに理由があります。デザイナーさん曰く「経年変化した姿が真の完成形となるためには必須な仕様」なのだそうです。
本日の道具
テイク&サンズ Field Boots
¥108,000+tax
昔の靴ならいざ知らず、ビスなんか打たなくても、強度十分なソールであるにも関わらず、この凝り様。 全方位、完全武装の仕上がりに、ぐうの音も出ませんです…。







手仕事により造られた靴は、後ろ姿がまた美しい。それは仕立ての良さからくるものです。ステッチを見て頂くと分かりますが、非常に細かいピッチで、かつ驚く程に正確に縫われています。そしてTAKE&SONSのデザイナーさんから直接お話を聞いて納得しました。これは「職人による手仕事」なのだと…。
もちろん今回のブーツは一人一人に合わせるビスポーク(特注)ではないですが、アッパーのミシンがけ等ビスポーク職人が自ら行っているのですから、その技術、仕事は同じなわけです。なのにこのブーツ、価格は108,000円(税別)。つまり、この手間の掛かりよう、造りに対して安過ぎるのです。
さっそくデザイナーさんに尋ねると、「ハイ、赤字ですよ。笑 でも実現させたかった。今回は私達も含め職人も、面白いからと楽しんでやっています。色々な意味でのトライアル、だから今回この価格。本当なら倍ぐらいの価格設定でも良いくらいなんです。この価格でいつまで出来るか…」と話してくださいました。確かに、これが正直な所なのだと思います。(※追記:先日メーカーHPで来季からの値上げが発表されています)
一足数千円の靴がある昨今、108,000円という価格だけを見れば「高い靴」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、手作業でのみ得られるこの繊細なライン、上質な造り。ここまで手間ひま掛けた、想いの詰まったアウトドア・フィールドブーツが他にあるでしょうか。僕はこのチャレンジスピリットに心底感動してしまいました。つづく
これだけ科学が発展した現代でも、人間は靴一足が無いだけでまともに外を歩く事すら出来ません。ましてや二足歩行の人間にとって「足」は大地と自分を結ぶ唯一の接点となります。だからこそ、靴は身につける物の中で最も拘るべきだ、と僕は思っています。
本日のブログは「靴」の話。実はワタクシ大の靴好き。ちょっとだけ熱く語らせて下さいませ。
「靴だけは良いものを履きなさい。」いつもそう両親に教えられてきました。また過去に服飾系の仕事をしていた事もあり、自分なりに靴には人一倍こだわりを持っているつもりです。二十歳そこそこの時には、お給料を全部突っ込んで数十万もする靴を2ヶ月連続で購入し、両親を呆れさせた事もあります。しかし、そうやって上質な物を自分の眼で見て触ってきたからこそ、「良いもの」と「良くないもの」を見分ける眼は確実に養われてきた自負があります。
そんな僕ですが、今春、展示会サンプルを見て一目で心を奪われたブーツがありました。それがTAKE&SONSの「Field Boots」。ボリュームのあるトゥにキュッと締まったヒールカップと足首。その姿勢を見て上質な造りであるのは一目で分かりました。
レザーはかの有名なタンナー「ホーウィン社」のクロムエクセルレザー。これは約100年前にホーウィンが独自のレシピで完成させたオイルドレザーで、驚く程の足馴染みの良さと、経年変化の美しさを誇ります。良いレザーというのは革表面と、シワの入り方を見ればすぐに分かるものです。きめが細かくシワに雑さがありません。これは履き込む程に顕著になっていきます。
そして表面を整える様な加工を施していない(する必要がない)ので、最初から少しのムラや小傷がある事が多い。また使っていても傷は入りやすいですが、繊維自体がきめ細かいため、メンテナンスによってある程度消えていきます。だから「ボロく」なるのでは無く「アジ」が出る。風格は増していくばかりなのです。つづく
コンクルージョンの販売を開始致しました。今回様々な銘木に加え、久しぶりに「ブラックマイカ」が入荷。
ずらっと並べると、同じ「ブラックマイカ」でもこれだけ個性があります。(※真ん中のみINPタモ玉杢)
特に個性的な一本が「INPタモ玉杢」。同じく特殊染色樹脂浸透を行ったウッドですが、こちらはフレーム3層が全て「黒檀」という漆黒のフレームを備えたモデル。重厚な雰囲気は、これまでのコンクルージョンに無い雰囲気です。
また、今回は同時販売の「マグネットリリーサー」と「コンクルージョン」で同じ樹種が存在する物もあります。これは制作者が同じヤマギシトモヒロ氏だからこその贅沢なコンビネーション。ある意味コンクルージョンの純正とも言えるウッドワーズのマグネットリリーサーも、サイズ、種類共にたっぷりラインナップしています。是非ご覧下さい。


本日は明日販売予定のコンクルージョンST30(内径30cm)、ST26(内径26cm)、ST23(内径23cm)より、「ブラックマイカ」をご紹介します。
ブラック(黒)・マイカ(雲母)の名の通り鉱石を連想させる特殊な染色オイルフィニッシュウッド。それは瘤材に樹脂浸透させて防水化する通常の行程に加え、 加色したオイルを混ぜ、真空状態で樹脂浸透。さらに色がまだら模様に染まる特殊な職人技を介する事で初めて生まれます。
色合いや染まり方などもウッドの個体性質による所が多く、天然だけでも、人の手だけでも造り出す事は出来ないウッドなのです。クッキリと模様が現れる物、混ざり合うように発色する物。人の手を入れる事で、より浮き立つウッドの個性こそ、このブラックマイカの魅力なのだと思います。