2020/07/23アンサンドフィニッシュ
カスケット・ロッドの表面仕上げはアンサンドフィニッシュがほとんどです。アンサンドフィニッシュは無研磨・無塗装仕上げとも言います。実はこの高級仕上げとも呼ばれるアンサンドフィニッシュはカスケットが依頼するブランク工場が日本で初めて確立したのです。こう言うと、少し詳しい方はどこかがわかってしまいますね。アンサンドフィニッシュを簡単に説明すると、マンドレル(鉄芯)にプリプレグ(カーボンシート)をテーピングで圧着させ、加熱整形した後でこのテーピングを除去したままで仕上げます。つまりテーピングを除去した痕(段差)が残った状態でありますから触るとザラザラとします。
通常のブランクはこの後でテーピング痕を消すためにクリア塗装とサンディング(研磨)を繰り返し、最後に本番の塗装をして仕上げます。ロッドのコスメティックに塗装の自由度は魅力的ですが、言うなればコーティングされた状態です。想像の通り、塗装をすれば自重は重くもなり、ロッド本来の復元力は減退します。ロッドに計算された弾性とカーブ支点からのルアー放出をスポイルさせることなく、着水時にはロッドのブレが収束しているという絶妙な「使い心地」はアンサンドフィニッシュだからとも言えるのです。さらに言えば、テーピングを細かいピッチで一糸の乱れもなく巻き上げ、最後は取り去るだけの一発仕上げというのは相当な技術を要し、大抵の工場はハーフサンドや塗装を施し、不良率を減らしているのです。 こうして軽量に仕上げたブランクに、美しいガイドラッピングを薄くて強度を持たせる熟練のアッセンブリーに繋がってこそカスケットのブランクは完成します。
さて動画はご存知、トラウト活動家の斉藤さん。最新動画を見ていただいてもキャストの気持ち良さが伝わるかと思います。このキャストに追従していくアンバサダー2500Cのアベイルパーツ、チューニングも素晴らしい。特に今回のアベイル新作のウオームシャフト。これは在庫ある内にご自身が安心するくらいの数量を確保しておくことをオススメします。NEWファルコンの最終型も斉藤さんの釣りで活躍しているようです。合わせてご覧ください。
【アンサンドフィニッシュまとめ】
メリット
(1)テーピング痕の凹凸によってラインがべたつかず、水切れが良い。
(2)8%近い軽量化。
(3)15〜20%耐圧縮強度が向上。
デメリット
(1)ブランクの塗装がないため、無味簡素。
(2)製作において技術を要する。(職人の技術継承が心配。)








お名前:鹿沼様
コメント:梅雨の合間、雨上がりの夕方に近場の小渓へ足を運びました。少し開けた瀬尻に501をダウンでキャスト。押しの強い流れに逆らってもバランスを崩さない姿勢、そして自分の中ではヤミツキになっている「高速ウォブリング」の感触が指先に伝わって間もなく、重みのあるバイトが・・・。フッキング後は、逆流での激しいローリングにも遭いましたが、ロッドが難なく対応してくれて決着することができました。渓魚の放流が無い細流の河川で、薄朱色が印象的な居着きと思われる個体に出会えたことに大きな喜びを感じました。
てしまより:鹿沼様、素敵なヤマメに出逢いましたね。おめでとうございます。ハッスルトラッド501のご愛用ありがとうございます。これからの渓流インジェクションミノーを考えた際に、真っ先に取り掛かったのが1フックのtype-501なんです。トラブルレスで源流アップにもベリーフックがないのにも関わらず、本流にも使える安定したただ巻き性能。是非皆さんにも体験してほしい。
名前:久保木修様
久保木様の昨年の投稿より、ご投稿ありがとうございます。
ハッスルトラッドは使いやすく、あらゆる流れにも食いつきやすい性質を持たせています。ウエイト配置やリップに至る全ての工程が通常のインジェクションとは異なります。ロッドはリバーランズKの別注モデル。今回のミノーもリバーランズさん他取り扱いのお店様でも販売されます。
最初の案内から少し遅れましたが、ハッスルトラッドの7月販売会を明日(7月22日)を予定しています。
夏ですので虫系を意識したカラーで塗ってみました。
ドウガネブイブイはブラックベリー。ブリグリ・スジエビは今回、チャーミングな黒眼が入りました。過去にもこうした変わりダネなカラーはいくつかありますがサイクルが遠く、一回だけの発売もあります。定番にはない引き出しカラー。どうぞお見逃しなく。