パタゴニアより、新作のベスト「ステルス・パック・ベスト」が入荷。まずはこのベスト、とにかく良く出来ています。機能性としての完成度、そのアイデアで言えば、これまで見てきたフィッシングベストの中でもトップクラスではないかと感じました。ではどこが優れているのか、これから徹底解剖していきます。
生地選定や仕立ての技術によって、動作音がせず、ターゲット(魚)に確実に忍び寄れるその性能から、この名が付いたそう。メインポケットは、シムスでは既にラインナップから消えた、昔ながらのバーチカル(縦型配置)。パタゴニアは、良い意味でポケットレイアウトをずっと変えないので、昔の型から買い替えの方も安心です。
フロントは充実の8ポケット。④と⑤においては、フロント全面がポケットとして機能する大型スペースになっています。
背面、上のポケットはコチラも背中全体がポケットになる大容量。内部には取り外しも可能な完全防水ポケットが付属。下段はハーフサイズのポケット。大きな荷物はほとんど背面に収納できてしまう充実の造りです。Dリングの代わりに強靭なナイロンループを用いているあたりもスマート。必要であればリングをつければ良いですし、不要な場合は全く邪魔にならない。よく考えられており現代的でパタゴニアらしいミニマリズムです。
さらに最下段には、着用したまま内容物を取り出し可能なストレッチポケットを完備。左右どちらからでもアクセス可能で中は繋がっています。主に、ドリンクボトルや、レインジャケットなどを収納する為のデザインのよう。このアイデアには驚きました。さらに内部にはフィット調整用のベルトを備えており、引っ張るだけで着用者の体にフィットする仕組み。
左右共に、2つの内ポケットも。たまにしか使わないけど持ち歩きたい小物ってりますから、こう言う細かいポケットも大いに助かります。生地は裏側が総メッシュになっているので蒸れにも強い。メッシュもひ弱な物ではなく、適度に硬質で耐久性の高い物を使用してくるあたりは流石です。
その他の機能として、隠しロッドホルダー、フロータントポケット、フォーセップ用のループなどを完璧に備えています。フライパッチは化繊になりましたが、ベストらしいクラシックなディテールとして付いてると嬉しくなります。
プライヤーやらニッパーやら、生地目線で言えば脅威な物ばかりをそのポケットに収納する釣り人。その酷使に耐えるべく選ばれたポケット生地は強靭なリップストップ・ナイロンキャンバス。見た目以上に硬質でしっかりしています。変わってないようで、驚くほど熟成し進化しているこのベスト。手放しで素晴らしいと言い切れる一枚です。