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2025/04/14キャッツキル放浪記

スタッフ コーヘイ

コーヘイのキャッツキル放浪記・連載一覧はこちら
実は、、、未だ行ったことはないフライの聖地「キャッツキル」。彼の地を夢見て夜な夜なタイイングを続けるスタッフコーヘイの不定期連載コラムです。

🔳第三話 キャッツキルスタイルは投げにくい、使いにくい!?
第三話は、その構造ゆえにヒジョーに投げにくいとされる「キャッツキル・ドライフライ」のリーダー&ティペットシステムについてです。 現代のパラシュートフライなどと異なり、フックに対して垂直にハックルが巻かれるキャッツキルスタイルのドライフライは、空気抵抗MAX、つまり投げにくい(笑)。6Xや7Xなどの細いティペットで、おまけにロングリーダーロングティペットで使おうものなら、フライはプロペラのごとく回転、ティペットは即チリチリ、トラブルの嵐です。 元々現在のような細く強力なティペットなど無い時代の毛鉤ですから、現代タックルでそのまま使うのに無理があるのも当前かもしれません。僕の解決法は至ってシンプル。太く、短いリーダーシステムを使う事で回避しています。基本はロッド長前後の4Xリーダーに4Xティペットを50〜60センチ継ぎ足すという、周りからは大丈夫か?と言われるシステムです(苦笑)。水面を長く漂わせるのには向きませんので、狙ったスポット数十センチ範囲を短く丁寧に流すよう心掛けています。 そこで面白い毛鉤。著名な作家でありキャッツキル地方の釣人でもあった「エドワード・ヒューイット氏」による特異なフライ「ネバーシンクスケーター」です。白昼、大きなトラウトがひらひらと舞う蝶を狙って跳躍するのを見て考案されたこのフライは、激しいアタックを繰り返し引き起こす異例のアトラクター&大物キラーとして知られ、 通常のドライフライが通用しない魚が無気力な状況でも、深場から魚を惹き寄せる不思議な能力を持つと言われている名作古典です。 浮き姿勢はラインアイが真上を向く特殊な状態。自然とティペットはフライから離れた位置で水面に接するので太いティペットでも影響が少ないと思われます。これも大物に違和感を与えない要因なのかも知れません。基本的に高い浮き姿勢を保つキャッツキル系の毛鉤なら、この効果は高いと思いますが、このネバーシンクスケーターはそれが最も顕著に現れる特殊な構造と言えます。
出典:American Museum of Fly Fishing

また、アメリカの”AMFF”(American Museum of Fly Fishing)が公開しているこちらの動画では、1939年にヒューイット氏本人がネバーシンクスケーターを使って釣りをする貴重な姿が収められています。良型のトラウトがバッコバッコ釣れているうえに、「スケーター」の名前通り、フライを人為的にスーッと引っ張って水面を滑らせドッカーンと魚が飛び出てくるシーンは圧巻です。仮に、太く短いラインシステムで長くドリフトできずとも、逆に引っ張って魚を誘い出すことすら可能なこのフライ。シビアな現代でこそ使いたい古典毛鉤です。

本日の道具

2025/03/20コーヘイのキャッツキル放浪記

スタッフ コーヘイ

コーヘイのキャッツキル放浪記・連載一覧はこちら
実は、、、未だ行ったことはないフライの聖地「キャッツキル」。彼の地を夢見て夜な夜なタイイングを続けるスタッフコーヘイの不定期連載コラムです。

🔳第二話 キャッツキルスタイルは釣れる!?
第二話は、いにしえから現代に至るまでその効果を失わない「キャッツキル・ドライフライ」がなぜ釣れるのか?その理由について考察したいと思います。 あらゆるフライが存在する2025年現在。スレたシビアなフィールドでこそ、古典であるキャッツキル・ドライフライが不思議と良く効く事があるように思います。キャッツキルドライフライの特徴といえば、縦巻きと呼ばれる垂直に巻かれたハックル、フックベンド、テールの3点で水面を捉え、高く浮く点にあります。 画像は水面下から見た状態ですが、面白い事にシルエットが非常にボヤけています。これは僕の推測ですが、フライ自体がサーフェスフィルムから離れているのがミソで、魚から見ても見破りにくいのではないかと考えています。色についても正確に認識しずらいので、大ハズレしてない限り許容されてしまう感じです。つまり「良く見えないけど何かの虫っぽい」(笑)。 そんな最大公約数的な考え方を極めたのがこのフライ「グレイフォックスヴァリアント」。近代キャッツキル界の巨匠、アート・フリック氏による名作です。 僭越ながら氏の功績を要約すると、長年にわたりキャッツキル地方の水生昆虫を採取研究し、それまで膨大だったフライ・イミテーションとして必要な虫の種類を最小限まで選定、それらを誰にでも分かりやすくまとめたレジェンド・フライタイヤーであります。 そんな人が「極論、これでほとんどイケる!」的に晩年はコレしか投げなかったと言われるほど信頼していた毛鉤です。 一際長いハックルで水面高く浮き、3色混合で巻かれたハックルのマルチカラー色彩論で何にでも見え、多くのメイフライ(カゲロウ)を模倣します。まさにキャッツキル・ドライフライの集大成的な一本と言えます。

本日の道具

2025/03/17コーヘイのキャッツキル放浪記・連載一覧

スタッフ コーヘイ

実は、、、未だ行ったことはないフライの聖地「キャッツキル」。彼の地を夢見て夜な夜なタイイングを続けるスタッフコーヘイの不定期連載コラムです。

第一話 キャッツキルスタイルってナニ!?

第二話 キャッツキルスタイルは釣れる!?

第三話 キャッツキルスタイルは投げにくい、使いにくい!?

2025/01/11コーヘイのキャッツキル放浪記

スタッフ コーヘイ

【 第一話 キャッツキルスタイルってナニ!?】
実は、、、未だ行ったことはないフライの聖地「キャッツキル」。彼の地を夢見て夜な夜なタイイングを続けるスタッフコーヘイの不定期連載コラムです。 まず第一話は僕の愛する「キャッツキルスタイル」とは!?
憧れのキャッツキルエリアを代表する川のひとつビーバーキル

そもそも”キャッツキル”とはアメリカ・ニューヨーク州北部の地名。実はアメリカのフライフィッシングの歴史はココに端を発しており、いわば”始まりの地”と呼べる特別な場所。1800年代後半、アメリカの作家セオドア・ゴードン氏が英国のドライフライフィッシングをアメリカに広め、仲間らと共にアメリカ独自のスタイルを確立。その毛鉤たちが後に「キャッツキルスタイル」と呼ばれることになったのです。 厳格なレシピや作法があり、それはまるで歴史的逸品に触れるような、偉人たちの足跡を辿っているような、ちょっと崇高な気分にさせてくれる存在。 セオドア・ゴードン氏の傑作古典「クイルゴードン」はまさにキャッツキルスタイルを代表する一本。 Epeorus pleuralisと呼ばれるメイフライ(カゲロウ)を繊細に模した姿がこの上なく美しい名鉤なのです。 毛鉤に関して、釣れることはもちろん、佇まいの美しさ、その歴史的背景までも調べてコダワって、味わい尽くしたい!!そんな僕が毎夜眠れないほど熱狂し続けているのが「キャッツキルスタイル」と呼ばれるクラシックフライたちなのです。

つづく

本日の道具