「UMCO P-9復刻計画」
ようやくこの話をできるようになりました。UMCO=UPPER MIDWEST MFG CO、、通称アムコと呼びます。アルミタックルボックス好きなら誰もが知る有名なブランドでした。ミネソタ州、ミネアポリスにて1950年創業。品番プレートに工場の名前も印字されていてミネアポリス、スプリングパーク、ウオータータウン、最後はラッシュシティ、と何度か工場を移転した様子で1980年代に閉業。UMCO社の幕を閉じました。
この手の小型ボックスが僕は好きでいくつか所有しています。気がつけば工場が移ったそれぞれのプレートの年代を持っていました。P-9はその中でもポケットサイズの両面開きタイプで昔から渓流用で愛用。当時はリョービが取り扱いだったように記憶しています。
しかし、これはフライ用だったようで、両面のうち、片面のコンパートメントが小さく細分化されたもので、渓流ミノーには使いづらかった。そこで、僕はトレーを外し、使いやすい面(右)だけを使って両面にして渓流用ルアー用にします。そうしてトレーが無くなったものは何も入れずに大型ミノー用にしているというわけです。
行く先々でこれを見た人が「そのアルミボックス、いいね!」と言われるけど、売ることはできないので紹介もせずに黙っておりました。過去にBums&Casketというブランドで同様のアルミボックスを板金で作っていたことを思い出す方もあるでしょう。長年使ってきたアムコも2500C同様に40年以上前の製品です。ご覧のように留め具が腐食して使えなくなったものが出始めます。トレーも割れて残りは数枚・・・。手持ちも少なくなり、他に代替を探すけど同じようなクラシカルな雰囲気、用途のものがありません。そこで4年前に復活計画を立ち上げたのです。
しかし、ここからが長かった。まずは過去のP-9にも入るトレーを作りたくて、トレーを元型から採取。これが間違いでした。その後、外側のアルミに着手。しかし年代で違っていたのか、過去に数度工場が変わったせいか、微妙にずれていた。当時から一つ一つ合わせていたのかもしれません。とにかく開け閉めが微妙に合わない。金型が安くなるからと金型は海外で作ったのも悪かった。連絡が取りづらく、そしてCovid-19(3年)。。。。
よく見ると当時ものは蓋からずれており、まずい部分まで復刻してしまったのか、、、、工場ストップや輸出入制限と難航しましたが、企画を立ち上げ、金型業社との間を取り持ってくれた方が親切で良かった。金型は完成していましたが、製作はそのまま置き去り。23年になってようやく稼働を迫り、日本に持ってきて、相性を見ながら一つ一つ合わせることを先月から着手することができたのでした。(つづく)