メイフライ、カディス、ガガンボ。とにかく大量に飛び交う虫たちに、この日の魚達は狂喜乱舞していました。
流れる虫達に混ざって、スーっとフライを水面に流す。そして一人呪文を唱えます。「ダマされろ〜ダマされろ〜。」・・・・ゴボッ!!(キターっ!)
竿全体に感じる筋肉の躍動、息遣い。そして小さくとも立派な闘志。こんな魚に会たくてここまで来たのです。
名鉤「クイルゴードン」での一尾。同じ名前を持つオリジナルフライリール「GORDON」は小径で日本の渓流魚によく似合います。
クラシック・アメリカンリールのようなルックスを踏襲しながら、各パーツの寸法は小さく、細くして再構築。
正面からみると一見華奢にも見えますが、実は各パーツに厚みを持たせることで強靭な耐久性を実現。転けて少々ぶつけたくらいではまず壊れません。(体を張って経験済み・・・苦笑)
普遍的なデザインとシンプル極まりない機構。太古から森を流れる、小さな渓の住人達に会いにいくなら、こんなフライリールが気分です。
文字通りMayflyが飛び交う5月初旬の連休。居ても立っても居られなくて、渓流に向かうもどこも人だらけ・・・。
逃げるように上へ上へと山を駆け上がっていくと、いつの間にか人の立ち入らぬような深い深い源流帯に辿り着いたのでした。
全身に緑を浴びながら深呼吸。まるで体のフィルターが浄化されていくような気分です。
この日のタックルは、SCOTTのグラスパックロッドと、ついに完成したオリジナルフライリール「GORDON」。小渓流に住む美しい渓流魚に見合うよう設計され全て手造りされる渾身の一台です。
ウェーダーはSIMMSの「フライウェイト」。軽さと透湿性に抜きん出ており、耐久性も素晴らしい。現在一番気に入っているウェーダーです。
胸に付けたチェストパック「スモールポッド」には、フライボックスをたっぷりと詰め込んで。よしっ!準備万端。
夜な夜な巻いた、銘パターンのクラシック・フライ達。さ〜て何から投げようか!! つづく
5月初旬のフライでの釣行動画です。撮影は全てスタッフシゲが担当してくれました。ぜひご覧ください。
「その2:フライで釣り上がる日田渓流の巻」
穏やかな陽射しのなか、様々な虫が飛び交う絶好のフライ日和。これはチャンスと僕もフライロッドを片手に釣り上がります。
岩陰に休むマエグロヒメフタオカゲロウ(かな?)のダン:亜成虫。スモーキーな色合いがたまりません。まずは昆虫と川をよ〜く観察。どのフライを結ぼうか、あーでも無い、こーでも無いと悩みます。
既に日が傾いており水面のギラつきも激しかった為、サイズだけ合わせて色は視認性重視。100年以上も前から存在し、スタンダードパターンと呼ばれる大好きな毛鉤「ライトケイヒル」を選びました。
流れのゆるいプールを見つけフライを投げ込むと、空中に踊りでらんばかりの跳躍を見せ、山女魚が躊躇なくフライを咥えました!!(してやったり!)
今日のために巻いた、とっておきの毛鉤で釣れて喜びもひとしお。とても印象に残る嬉しい出会いです。
この日、目的であったブラウントラウトをフライで釣ることはできませんでしたが、必ずまた再挑戦することを誓って、川を後にしたのでありました。つづく
スコットのNEWフライロッド「セントリック」の在庫分がようやく入荷して参りました。このシリーズで一番需要が高い「905(9ft5番)」と「906(9ft6番)」どちらも現在在庫があります。なにはともあれ驚くのはその軽さ。もはや5番や6番を持っているような感覚ではありません(驚)そしてデザインも個性的。マイカルタのダークトーンなシートフィラーに、鮮やかなデルリン製ロックワッシャーとトリムスレッド。なんともスパイシーなデザインなのです。