11月18日販売のベゼルグリップより2点ご紹介します。1本目は「花梨瘤/白・極上」。東南アジアを中心に自生するマメ科シタン属の広葉樹「花梨」の瘤材です。
赤系が有名な花梨ですが、いわゆる赤身の部分は「心材」と呼ばれる中心部分。こちらのように「白」と呼ばれる部分は周辺部分であり、取れる面積は「赤身」と比べてもずっと少ない希少部位。
辺材だけあって菌などの影響を受けやすく、その激しい変化に飛んだ表情は時としてドラマチックですらあります。こちらは激しい濃淡に加え、腐朽菌による変色「青」も入り混じる豊かな表情。もはや単に「白」と呼ぶには惜しいほどの存在感を放つ一本です。
2本目は、ブラジル原産、マメ科・ツルサイカチ属の銘木「チューリップウッド」。その美しさからヨーロッパでは「木の宝石」とも呼ばれます。フランス王朝ではルイ15世・16世のご用達の銘木とされ、かのベルサイユ宮殿の家具調度品にも使われているのだとか。
やや黄みを帯びた杢色に入る鮮紅色は一度見たら忘れられないインパクトですが、現在はその数が激減。ワシントン条約によって伐採や輸出に規制を掛けた保護下にあり、その希少度は日に日に増すばかりです。
日本から遥か遠く、地球の反対側とも称されるブラジルで生まれた銘木が、こうして海を越えベゼルグリップになっていること自体が奇跡のようなストーリー。是非この一本を手に、その物語の続きを描いてください。