
創業から150年以上の歴史を誇り、現存する最も古いフライ用品メーカーのひとつである英国ハーディー社。現代フライリールの基礎を作り上げたと言っても過言ではなく、フライリールの源流にして最高峰、フライフィッシャーなら必ず1台は所有したいリールです。

そのシンプルにして完成された設計は、とにかく壊れ知らず。緻密で美しいチェック音(クリック音)はハーディサウンドとも呼ばれる独特の響きを持っています。カスケットで取り扱っているのは今もイングランド製を貫いているクラシックシリーズの下記4モデル。正直、機能はどれも大して変わりませんから(笑)、見た目やラインナップされているサイズ、ラインキャパシティで選べばOKです。

現代主流のラージアーバー(大口径スプール)リールと比べると、同じ番手のラインを巻く際に、小さい直径のリールを選ぶ事ができ、日本渓流で多用される8ftからそれ以下の短いロッドとの相性(見た目のバランス)が良いのはメリットです。反面巻き取りが遅い点、糸グセが付きやすいデメリットはあります。
【パーフェクト】
”完璧”という名を持つハーディーの代名詞的な一台。130年以上前から存在し、その姿形を大きく変えていないという事実が完成度の高さを物語っています。比較的重量感のあるリールですので、グラスやバンブー、長めのグラファイトロッドなどとも相性が良いです。独特の3ピース構造、緻密なチェック機構、抜きん出た耐久性はまさに一つの到達点と呼ぶにふさわしい憧れのフライリールと言えます。もはや単なるリールでは無く、ハーディー社の歴史、ひいてはフライフィッシングの歴史の一部そのものといえる存在かもしれません。
【ブグレ】
フランス人のトーナメントキャスター「ルイ・ブグレ氏」からの要請で誕生した、パーフェクトの派生モデル。ラインキャパシティを決めるフレーム支柱は外側に残し、ボディサイズを一回り小さくする事で実質的な軽量化を図った結果、”レイズドピラー”と呼ばれる独特な構造が完成。回転式のラインガードを備え、ハンドル左右も自在に切り替え可能。パーフェクトシリーズとは異なる刻みでサイズ展開されておりベイビーブグレと呼ばれる、極小サイズまであるのも特徴です。上品な響きのチェック音は個人的にハーディー内でも一番美しい音色と感じます。
【ライトウエイト】
パーフェクトから45年後の1936年に、当時革命的な軽さを纏って誕生した軽量特化モデル。その軽量感は現代でも色褪せることなく、ロッドの主流素材がバンブー、グラス、グラファイトへと移り変わっても全てにマッチする汎用性の高さを持つ名品です。軽量ながら高級感もあるアルミボディ、耐久性の高いインスプール構造、ハーディらしい緻密で美しい音色のチェック機構を搭載した永遠の定番モデルとして今も君臨し続けています。ハーディーで迷ったらまずはこのモデルが間違いありません。
【マーキス】
クラシックシリーズの中では最も新顔(とはいえ初登場は1969年)。価格もお手頃な普及モデルとして登場しましたが、調整幅の大きなチェック機構に加え、手で直接スプール回転にブレーキをかけられるアウトスプール構造を唯一搭載し、ビギナーからエキスパートまでがこぞって愛用するほどの人気機種となりました。名称のマーキスとは公爵の意。旧型は名前の割に質素なデザインでしたが、現行モデルのLWTでは高級感のある見た目になりました。威厳あふれるハーディーの中でも一番親みやすく気取らずに使えるのがこのマーキスで、ある意味特殊な存在かもしれません。