2018/08/17スコット Fシリーズ
1970年代の創業当時よりグラスロッドを作り続け、業界初のバックパッカー向け5ピース・ロッドを開発してその名を轟かせたスコット。今回伝統のグラスロッドシリーズが「F2」から「Fシリーズ」へと名称変更し、リニューアルされます。
今回大きな変更点の一つが素材。現在の縦方向繊維のみのS2グラスから、古くからある織り(縦横繊維)のEグラスへと時代を逆行しています。これに最新のテーパー設計と進化したレジンを組み合わせる事で、一体どうなったのか!?メーカーアナウンスではどうやら、グラファイト素材との差別化をより明確にしてグラス素材ならではの性能に特化させている模様。”今だからこそ”のグラスロッド、これは期待大です。
もう一つの大きな変更点が、継ぎ数。これまで標準3ピースでしたが、今回全てのモデルで4または5ピースでラインナップ。もはや ”マルチピースはアクションが悪い” は過去の話。ましてやグラスを知り尽くすスコットの事です、かなりの完成度に仕上げて来ているに違いありません。人里離れた秘密の谷で、美しい渓魚と遊ぶなら、こんなライトラインのグラスロッドこそ最高の道具となってくれそうです。
早くて9月末〜10月にメーカーより出荷が開始されるとの事ですので、ご予約を開始致しました。入荷はご予約順となりますので、ご希望の方は早めにご予約下さい。
本日の道具
スコット F Series 予約受付中
¥81,000+tax
素材は新しいSグラスから、あえて古くから存在するEグラスへ。今回ここに進化のキモがありそうです。 関係ない話ですが、1990年代、マグネットブレーキ全盛の時代に、時代を逆行し遠心ブレーキを採用したシマノ社・スコーピオンシリーズの事、ブレーキシステムの熱き論争の事を思い出しました…(笑)







ヴィンテージウェアの魅力の一つは「生地」にあると思います。見た時に感じるヴィンテージならではの存在感。どうやらその答えの一つは「織り機」による生地の違いにあるようです。
ことパンツにおいて、昔の物はジーンズ等も含め「シャトル織り機」という機械で織られた生地が多い。最新の織り機は、経糸に強くテンションを掛けて織るため生地が平らで均一。比べて「シャトル織り機」は職人さんが織りスピードをコントロールしながら調子を合わせる手織りに近い感覚。その生産効率は最新機械の1/5〜1/10とも、生地によってはそれ以下とも言われているくらい非効率なのだそう。
しかしその生地には、進化した現代の織り機では出せないムラがあり、個性があります。これが着用や洗濯によって擦れる事で、更に陰影が濃くなり、表情が出るのです。今回入荷したTAKE&SONSのモールスキンパンツもまた、旧式のシャトル織り機で贅沢に織られたヘビー・モールスキン生地を採用。古くは乗馬やワークウェアに用いられ、耐久性はデニムをも上回る高密度な素材。それに日本が誇る職人技を組み合わせる事で、ハリが有るのにしなやか、そしてしっとりとした抜群の肌触りを実現しています。
面白いのはそのデザイン。非常に大きなカーゴポケットが目を引きますが、僕が注目して頂きたいのはそこではありません。パンツの横、サイドに縫い目が無いのです。普通は生地取りなど生産効率を考え、パンツは左右前後の4枚の生地から成る訳ですが、このパンツにはそれが無い。つまり片脚を一枚の生地で継ぎ目無く取っているのです。これにより縫い目が肌に当たらず、着心地が非常に滑らか。
そして生地が素直にストンと落ちるため、履いた時のシルエットが非常に美しい。これは、かの有名なフランス・パリのメゾン”マルタン・マルジェラ”も得意とする手法で……っとスミマセン(汗)ついつい熱くなって話がそれましたが、つまりはいつもの”テイク&サンズ”らしく、とっても贅沢に、手間を掛けて造られた一本。他ではちょっと見る事の出来ないフィールドパンツ、という事なのであります。

ちなみにこのブーツの開発に携わった職人さん、釣りが趣味のトラウトマンなのだとか。ご自身の靴で山を歩き、渓流で釣りもしているとの事!(驚)もちろんTAKE&SONSデザイナーの山沢氏もアウトドアマンであり、釣り人であるからこそ、過酷なフィールドで求められる事がよく分かっているはずです。
肝心のフィッティングですが、通常スニーカー等で26.5〜27cmを履く僕で「サイズ9:27cm相当」を履いた場合、適度なゆとりがあり、丁度良いと感じます。(厚めの靴下も履けるくらいの感じです)
完全に日本人の足に合わせた設計と言う事もありアメリカやヨーロッパのシューズに比べると、ワイズ(幅)がやや広めの設計です。またデザイナーさんの意向で、フィールドで踏ん張るとき、足の指を広げてバランスを取ったり、力を入れやすくするためにトゥ部分にゆとりを持たせてあるそうです。これが幸いしてサイズの許容範囲はわりと広いように感じます。
本当にフィールドで使うデザイナーが考え、釣り人でもある職人によって造られた真のフィールドブーツ。手仕事ゆえに修理も可能で、大切に履けば”一生もの”といっても過言ではありません。久しぶりに本気で欲しい靴に出逢ってしまいました。



良い靴は靴底を見ても隙がありません。この英国製ラバーソールのヒール部分。擦り減れば容易に交換可能ですが、フィールドで絶対に外れたりする事が無い様、ビスを打ち込んであります。そしてビス一本へのこだわりがまた凄い。よくあるスチールのプラスネジは水がたまり易く錆び易いので”真鍮製のマイナスネジ”を採用。しかもこれが日本には流通していない為、イギリスから、わざわざ取り寄せているのだそう。
イギリスはアンティークの物を大切にして親から子へ孫へ受け継ぐ文化があり、修理を行う必要から、未だに古くから使われているマイナス真鍮ネジが製造されているらしい…。見ているだけでは分かりませんが、ソールのネジ一本にもストーリーがあるのです。
またネジだけでなく、アイレット(ハトメ)やバックのDリングも全て真鍮製。アッパーのレザーもコットンキャンバスも、このブーツには使われている素材全てに理由があります。デザイナーさん曰く「経年変化した姿が真の完成形となるためには必須な仕様」なのだそうです。

手仕事により造られた靴は、後ろ姿がまた美しい。それは仕立ての良さからくるものです。ステッチを見て頂くと分かりますが、非常に細かいピッチで、かつ驚く程に正確に縫われています。そしてTAKE&SONSのデザイナーさんから直接お話を聞いて納得しました。これは「職人による手仕事」なのだと…。
もちろん今回のブーツは一人一人に合わせるビスポーク(特注)ではないですが、アッパーのミシンがけ等ビスポーク職人が自ら行っているのですから、その技術、仕事は同じなわけです。なのにこのブーツ、価格は108,000円(税別)。つまり、この手間の掛かりよう、造りに対して安過ぎるのです。
さっそくデザイナーさんに尋ねると、「ハイ、赤字ですよ。笑 でも実現させたかった。今回は私達も含め職人も、面白いからと楽しんでやっています。色々な意味でのトライアル、だから今回この価格。本当なら倍ぐらいの価格設定でも良いくらいなんです。この価格でいつまで出来るか…」と話してくださいました。確かに、これが正直な所なのだと思います。(※追記:先日メーカーHPで来季からの値上げが発表されています)
一足数千円の靴がある昨今、108,000円という価格だけを見れば「高い靴」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、手作業でのみ得られるこの繊細なライン、上質な造り。ここまで手間ひま掛けた、想いの詰まったアウトドア・フィールドブーツが他にあるでしょうか。僕はこのチャレンジスピリットに心底感動してしまいました。つづく