川に立って鱒を追う時、僕は襟付きの服を着ていたいと思っています。機能を優先するなら化繊が良いですが、気分を優先する時は必ず木綿のシャツを選びます。濡れたら乾きにくいし、重くなる。けれども理屈じゃなく、しっとり体に馴染むような素材を肌に感じながら、その袖を濡らしたい。
中でもTAKE&SONSは素晴らしいです。選び抜かれた素材、高い技術を用いた日本での縫製は美しくすらあります。
そして「フィールド」を背景に持ちながらも、随所に見える上品さ。各部の造りには一切の妥協がありません。美しい鱒を相手にする特別な時にふさわしい一枚。まさに川での”ドレス=正装”とも言えるシャツだと思います。
今作は、細く長い良質な綿糸を高密度に織り上げた「タイプライタークロス」を採用。薄手ながらパリッとしていて非常に丈夫なこの生地は、春夏の渓流に最適な質感です。
化繊全盛の今、こんなに拘った木綿のシャツで渓流に立てるという幸せ。考えるだけでも素敵な一枚だと思います。機能だけでは決して語ることの出来ない世界がそこにはあるのです。