2019/01/25テイク&サンズ・フィールドブーツ
テイク&サンズのフィールドブーツが入荷。実は次回から¥148,000に値上げ予定でして、現在の¥108,000がすこぶる安く感じてしまう恐ろしい現象に陥っています。
こうしたブーツはダナー、ラッセルといくつか所有しているのですが、正直に言うと足高が合わなくて長時間履くと足が疲れていたのです。しかしこれは日本人の足に合わせて、アッパーが高く、ゆったり目、指が中で動く余裕もあり、締め付け感なく履けそうです。
余談ですが、これまで一足20万のブーツを二足も所有しているブーツ狂のスタッフコーヘイが「びっくりですよ、この造りは絶対に買いですよ、社長っ!」と僕にまで勧めてくる、文句なしの逸品です。108,000円がだんだん安く感じてきましたよ・・・・。というわけで僕も新調することに!この価格ではあと1〜2足の受付です。どうぞこの機会に御検討ください。
本日の道具
テイク&サンズ Field Boots
¥108,000+tax
これは靴好きも唸るブーツ間違いなし!前回紹介した詳細記事がございますのでこちらもご覧ください。|フィールドブーツ紹介(その1)|フィールドブーツ紹介(その2)|







どれも極少量生産で、ほとんど店頭に並ぶ事のないアイテムすら存在するTAKE&SONS。それはアイテムを見れば一目瞭然。1から10まで何せ凝っているんです。現在、ここまで気合いの入った物造りが出来るブランド、そうそうありません。
とはいえ、全アイテム、全カラー、全サイズをストックするのは、かなり困難。そこで今回は9月5日〜6日限定で、HPにて受注会を開催。ご予約頂いた商品は、メーカー都合などで生産中止にならない限りは必ずご納品可能です。
「前回も欲しかったけど、希望のサイズやカラーの在庫が無かった…」なんて方は今回ぜひご予約下さい。
※お届けは2019年1月末〜2月中となる見込みです。
※ご予約品につき、ご注文確定後のキャンセル、返品、交換はお受けできません。
※極稀にメーカー都合などで生産中止となる場合もございます。何卒ご了承下さい。
ヴィンテージウェアの魅力の一つは「生地」にあると思います。見た時に感じるヴィンテージならではの存在感。どうやらその答えの一つは「織り機」による生地の違いにあるようです。
ことパンツにおいて、昔の物はジーンズ等も含め「シャトル織り機」という機械で織られた生地が多い。最新の織り機は、経糸に強くテンションを掛けて織るため生地が平らで均一。比べて「シャトル織り機」は職人さんが織りスピードをコントロールしながら調子を合わせる手織りに近い感覚。その生産効率は最新機械の1/5〜1/10とも、生地によってはそれ以下とも言われているくらい非効率なのだそう。
しかしその生地には、進化した現代の織り機では出せないムラがあり、個性があります。これが着用や洗濯によって擦れる事で、更に陰影が濃くなり、表情が出るのです。今回入荷したTAKE&SONSのモールスキンパンツもまた、旧式のシャトル織り機で贅沢に織られたヘビー・モールスキン生地を採用。古くは乗馬やワークウェアに用いられ、耐久性はデニムをも上回る高密度な素材。それに日本が誇る職人技を組み合わせる事で、ハリが有るのにしなやか、そしてしっとりとした抜群の肌触りを実現しています。
面白いのはそのデザイン。非常に大きなカーゴポケットが目を引きますが、僕が注目して頂きたいのはそこではありません。パンツの横、サイドに縫い目が無いのです。普通は生地取りなど生産効率を考え、パンツは左右前後の4枚の生地から成る訳ですが、このパンツにはそれが無い。つまり片脚を一枚の生地で継ぎ目無く取っているのです。これにより縫い目が肌に当たらず、着心地が非常に滑らか。
そして生地が素直にストンと落ちるため、履いた時のシルエットが非常に美しい。これは、かの有名なフランス・パリのメゾン”マルタン・マルジェラ”も得意とする手法で……っとスミマセン(汗)ついつい熱くなって話がそれましたが、つまりはいつもの”テイク&サンズ”らしく、とっても贅沢に、手間を掛けて造られた一本。他ではちょっと見る事の出来ないフィールドパンツ、という事なのであります。

ちなみにこのブーツの開発に携わった職人さん、釣りが趣味のトラウトマンなのだとか。ご自身の靴で山を歩き、渓流で釣りもしているとの事!(驚)もちろんTAKE&SONSデザイナーの山沢氏もアウトドアマンであり、釣り人であるからこそ、過酷なフィールドで求められる事がよく分かっているはずです。
肝心のフィッティングですが、通常スニーカー等で26.5〜27cmを履く僕で「サイズ9:27cm相当」を履いた場合、適度なゆとりがあり、丁度良いと感じます。(厚めの靴下も履けるくらいの感じです)
完全に日本人の足に合わせた設計と言う事もありアメリカやヨーロッパのシューズに比べると、ワイズ(幅)がやや広めの設計です。またデザイナーさんの意向で、フィールドで踏ん張るとき、足の指を広げてバランスを取ったり、力を入れやすくするためにトゥ部分にゆとりを持たせてあるそうです。これが幸いしてサイズの許容範囲はわりと広いように感じます。
本当にフィールドで使うデザイナーが考え、釣り人でもある職人によって造られた真のフィールドブーツ。手仕事ゆえに修理も可能で、大切に履けば”一生もの”といっても過言ではありません。久しぶりに本気で欲しい靴に出逢ってしまいました。



良い靴は靴底を見ても隙がありません。この英国製ラバーソールのヒール部分。擦り減れば容易に交換可能ですが、フィールドで絶対に外れたりする事が無い様、ビスを打ち込んであります。そしてビス一本へのこだわりがまた凄い。よくあるスチールのプラスネジは水がたまり易く錆び易いので”真鍮製のマイナスネジ”を採用。しかもこれが日本には流通していない為、イギリスから、わざわざ取り寄せているのだそう。
イギリスはアンティークの物を大切にして親から子へ孫へ受け継ぐ文化があり、修理を行う必要から、未だに古くから使われているマイナス真鍮ネジが製造されているらしい…。見ているだけでは分かりませんが、ソールのネジ一本にもストーリーがあるのです。
またネジだけでなく、アイレット(ハトメ)やバックのDリングも全て真鍮製。アッパーのレザーもコットンキャンバスも、このブーツには使われている素材全てに理由があります。デザイナーさん曰く「経年変化した姿が真の完成形となるためには必須な仕様」なのだそうです。