
山女魚が好き、鱒が好きである。トラウトフィッシングを通じて彼らに近づき、触れ、そして見惚れていると「美しく生きよ。」と言われている気がする。日々の生活の中に鱒釣りを溶け込ませ、その道具を選ぶところから、彼らに対して尊く生きることの約束を迫られていると感じるのだ。

ボロンハンドルは悠久の時を経て作られた樹木をいただいて、つり道具に変える。

細かな曲線とバランスの良い寸法の吟味を重ねて設計し、職人が瘤杢の素性を見極めて刃物を入れる。無駄を省き、最後に残った姿形。そして仕上げの細部まで怠ることなく気を配ることをデザインと呼ぶ。私たちの道具はそうやって作られる。

禁漁が迫る9月に出逢った48cmの山女魚。
自分の好きな道具を詰め込んで出掛けた釣りだった。そう、人生は好きなもので好きなことを。一生をかけて幸せを感じられる趣味がある人は幸せだ。

希少な樹木のボロンハンドルは一つのハンドル(グリップ)で複数のブランクを付け替え出来るようにした。これは10年以上前に私がコンセプトを明確にし、当初の形状を今も変えていない稀有なつり道具である。これが決して追随を許さぬボロンハンドルなのだ。

いよいよ本日、18時より販売開始です。