2021/08/319月02日販売のボロンハンドルご紹介-その2
昨日に引き続き9月02日販売のボロンハンドルより「メイプル瘤・極上(オールウッド)」をご紹介します。カナダ及びアメリカ北東部に自生するカエデ属の銘木で、瘤、縮み杢、玉杢、バーズアイ、スポルテッドなど、数ある銘木の中でも特に多様な変化を見せるのがこの樹種の面白いところ。こちらは瘤材の中でも特に激しい変化と瘤の密集を持つ「極上」の部位を使用した一本。緻密な繊維のうねりと濃淡はまるで砂絵による作品のような表情です。力強く繊細な瘤模様ですが、決して主役(魚)よりも目立とうとはしない静かな美しさもつ、非常に上品な銘木です。
続いては、日本の象徴とも言われる野生種「山桜(オールウッド)」。その慎ましい表情には実に品があります。一見地味にも見える杢肌に現れているのは派手な模様や色彩ではなく「侘び寂び」の心。その繊細極まる表情をじっくり観察すると、実は豊かな色彩に溢れている事に気がつくはずです。見た目だけではなく、そのものが持つ歴史や背景を重んじる私たち日本人には語りかけてくるものがある樹種です。
本日最後は「ピーチウッド(オールウッド)」。古くは、日本最古の神話「古事記」のイザナギとイザナミの逸話にも登場し、「魔除け」や「不老不死の象徴」としても有名な桃の木。独特な赤褐色の杢肌の中には、導管の畝りとそれによる繊維の煌めき、ブラックラインを伴う複雑な模様と色彩が散りばめられており実に豊かな表情。見るほどに味わい深く、東洋的で静かな美しさを有した一本です。