2021/06/22コンクルージョンご紹介9
本日は今月販売のコンクルージョンからST26(26cm内径)の「黒柿・孔雀杢」をご紹介します。国内最高峰の銘木として名高く、古来より茶器などに用いられてきた「黒柿」。”墨流し”とも呼ばれる模様は柿の古木が地中のタンニンを吸い上げ、化学変化を起こしたものとも言われていますが、その中でも極稀に存在する”孔雀の羽”のような模様を有する個体のみを「黒柿孔雀杢」と呼びます。
輪郭を伴う黒い楕円模様が連なる独特の表情。凛とした黒柿の美しさに加えて、力強く華やかな雰囲気をも併せ持つ一本です。その出現確率は数十万本に一本とも言われる、まさに幻の銘木。
裏面もまた面白い。今度は一変、全く墨流しが入っていない「柿」のシンプル極まる素杢。相手(渓魚)を敬い、引き立たせるような質素な佇まいに、茶道にも通づる「おもてなしの心」すら感じてしまいます。
全てに日本銘木を使用しているフレーム材にもご注目。両面には千年の埋れ木「神代欅」、中間材には厳選された「栃縮み杢」を惜しみなく使って仕上げた極上の一本。古来より日本の渓谷に住まう魚たちを相手にするなら、この上無くロマンチックな素材使いだと思います。